命を預かるということ

6月1日に行われた臨時議会。

コロナ対策の補正予算の他、訴えの提起の議案が出ました。

2010年(平成22年)、市内の保育施設で起こった乳児の死亡事故について、裁判の結果、横須賀市は敗訴し、それに対して控訴するというものです。

(控訴の理由 ~議案説明資料から)判決では、事故当時までに、0歳児については、5分から少なくとも10分に1回の睡眠時チェックを行うべきとの知見があったにもかかわらず、15分間隔で睡眠チェックを行うという知見に則さない指導研修を家庭保育福祉員に実施していた以上、指導研修義務を尽くしたとは言えず、指導研修義務違反としての違法な公権力の行使があったと認定されました。当該認定は事実と異なるものであると判断するため、控訴するものです。

私は、20年前から市内の子育て支援NPOのメンバーとして、こどもの一時保育や、親子の広場を行ってきました。

まず、その現場の感覚から、15分は長いと思いました。

実際、調べてみると、15分で良いとは考えられない裏付けが出てきました。

  • 2001年(平成13年)の厚生労働省の補助事業として社会福祉法人日本保育協会が実施した調査結果では、乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防として0歳児は5分に1回の呼吸確認をするとしていること。
  • 2009年(平成21年)の家庭的保育研究会編集の家庭的保育基礎研修テキスト「家庭的保育の基本と実践」では、0歳児の睡眠時チェックは5分から10分おきとしていること。
  • 事故当時、0歳児の呼吸確認を5分ごとに行っていた市内の私立保育園があること。
  • そもそも、複数の保育者がいる保育所と異なり、1人の保育者が保育を行う家庭的保育事業(当時)にあって、保育所と同じ方法を研修内容としたのは妥当ではないこと。

以上のことから、控訴すべきでないとして議案に反対しましたが、賛成多数で可決されました。

事故を機に、睡眠チェックは5分ごとになり、家庭的保育において補助員の配置ができるようになりました。

しかし、10年前にあっても、常に、子どもの最善の利益のために、保育環境を整備することは当然でしたし、そのような保育ができることは、保育士の誇りでもあります。横須賀市の保育行政に禍根を残すものとなることを、とても残念に思います。

教育福祉常任委員会での反対討論  ☛ 議案第62号討論1

本会議での反対討論  ☛ 議案第62号討論2